公開日 2025年3月20日 最終更新日 2025年3月21日
夫婦カウンセラーの木村泰之です
日頃夫婦について悩む相談者に接していますが、多くの方が夫の不倫を機に人生
がガラリと変わってしまった感覚に陥ってしまいます。
人生で経験していなかった事に、ショックも受けながらもカウンセリングを受けて
この理不尽に一緒に戦う方も数多くいます。
そして、そこから夫婦を続ける事を選ぶケースも多いのですが、司法の壁のような
ものにぶち当たる事もあります。
その一つが
‘破綻主義‘
です。
破綻主義の意味や対応について、解説していきます。
Table of Contents
1. はじめに
日本における離婚制度は近年大きく変化しており、その中でも「破綻主義」と呼ばれる
考え方が広まりつつあります。
破綻主義は、夫婦関係が修復不可能な状態にある場合、どちらか一方が離婚を望めば
裁判所が離婚を認めるという考え方です。
この制度により、不本意ながら離婚を余儀なくされる人々が増加する現状があります。
破綻主義による離婚判決に苦しむ方が取るべき対抗策について詳しく解説します。
あなたの権利を守るための方法を知り、不当な離婚判決に立ち向かう力を身につける
必要があります。
1-1. 破綻主義とは?現代司法における離婚の風潮
「破綻主義」とは、夫婦関係が修復困難なほどに破綻している場合、裁判所が離婚を
認める考え方です。
かつて日本では「有責主義」が主流であり、不貞行為やDVなど、離婚の原因を作った
側からの離婚請求は原則として認められませんでした。
しかし、現在では夫婦関係の破綻そのものが離婚の理由として十分とされるケースが
増えています。
この流れは、特に一方が離婚を拒否している場合に深刻な問題を引き起こします。
例えば、配偶者が一方的に関係の破綻を主張し、別居を続けることで、裁判所が離婚
を認める事例が増えているのです。
1-2. なぜ破綻主義が問題視されるのか?
破綻主義には以下のような問題点があります。
一方的な離婚の強要
配偶者が勝手に「破綻した」と主張し、相手の気持ちを汲み取らず離婚が認められる
ケースがあります。
婚姻関係の継続を望む側の権利が軽視される
離婚を望まない側の意向が十分に考慮されず、裁判で不利な立場に立たされること
が少なくありません。
経済的・精神的な負担の増加
離婚後の生活基盤が確保されないまま、強制的に離婚が成立してしまう可能性が
あります。
これらの点から、破綻主義に基づく離婚制度は、多くの人々にとって不当な影響を
及ぼす可能性があるのです。
1-3. 破綻主義にどう対抗するのか
破綻主義については、以下のポイントがあります。
- 破綻主義による離婚を回避するための法的対策。
- 裁判で不利にならないための証拠収集の方法。
- 離婚を回避し、婚姻関係を継続するための交渉術。
- 精神的・経済的な負担を軽減するための支援制度の活用方法。
不当な離婚を強要されることなく、納得のいく解決を得られるようにはどうすれば
いいのか解説します。
2. 破綻主義による離婚判決の現状
2-1. 破綻主義のもとでの離婚訴訟の流れ
破綻主義に基づく離婚訴訟は、主に以下の流れで進行します。
- 別居の開始 – 配偶者の一方が「破綻した」と主張し、別居を開始。
- 離婚調停の申し立て – 家庭裁判所に調停を申し立て、話し合いを試みる。
- 調停不成立 – 双方の合意が得られなければ、裁判へ移行。
- 訴訟の開始 – 裁判所が夫婦関係の破綻を認定すれば、離婚が認められる。
- 離婚成立 – 判決により、離婚が成立。
このプロセスの中で、離婚を望まない側がどのように対抗するかが重要となります。
2-2. 有責配偶者でも離婚が認められる理由
従来の有責主義では、不貞やDVなど婚姻関係を破綻させた側(有責配偶者)からの
離婚請求は認められませんでした。
しかし、現在の破綻主義では、以下の条件が満たされれば有責配偶者でも離婚が認め
られる傾向にあります。
- 別居期間が長い(5年以上が目安)
- 未成年の子供がいない
- 離婚後、相手が経済的に困窮しない
このように、有責配偶者であっても時間の経過により離婚が認められるケースが増えて
いるのが現状です。
2-3. 実際の判例とその影響
破綻主義に基づく離婚判決の判例として、以下のようなものがあります。
- 長期間の別居を理由に離婚が認められた事例
- 夫が不貞行為を行い、妻と別居を続けたが、10年後に裁判所が「婚姻関係は
修復不可能」として離婚を認めた。
- 夫が不貞行為を行い、妻と別居を続けたが、10年後に裁判所が「婚姻関係は
- 夫が離婚を拒否するも、妻の主張が認められた事例
- 妻が「精神的苦痛」を理由に離婚を申請し、夫が拒否したが裁判所は「婚姻
関係の破綻」を認定し、離婚を認めた。
- 妻が「精神的苦痛」を理由に離婚を申請し、夫が拒否したが裁判所は「婚姻
これらの判例からも分かるように、裁判所は婚姻継続の意思よりも「破綻状態の継続」
に重点を置く傾向があります。
そのため、破綻主義の流れの中で、離婚を回避するための具体的な対策が求められます。
3. 有責配偶者からの離婚訴訟にどう対応するか?
3-1. 破綻主義を前提とした裁判での主張ポイント
- 夫婦関係の修復可能性を示す証拠を提出する。
- 相手が意図的に破綻を作り出した可能性を指摘する。
- 離婚が経済的・精神的に不当な影響を与えることを主張する。
3-2. 弁護士の選び方と依頼時の注意点
- 破綻主義に詳しく、離婚を回避する戦略を持つ弁護士を選ぶ。
- 依頼時には、希望する結果を明確に伝える。
3-3. 証拠の集め方と法廷での戦い方
- メールやLINEのやり取りを保存する。
- 配偶者の一方的な行動を記録する。
- 友人・家族の証言を確保する。
4. 破綻主義に対抗するための具体的な手段
4-1. 破綻主義の判決を覆す可能性はあるのか?
破綻主義に基づく離婚判決を覆すことは容易ではありませんが、適切な戦略を立てる
ことで可能性を高めることができます。
- 婚姻関係の修復可能性を示す証拠を提出する
- 過去の夫婦関係が円満であったことを示す写真や手紙、交流記録などを提出
する。 - 夫婦関係改善の努力を証明するメールやカウンセリングの記録を提示する。
- 経済的にも精神的にも問題なかった事を証明する記録を提出する。
- 過去の夫婦関係が円満であったことを示す写真や手紙、交流記録などを提出
- 裁判の過程で相手の不誠実な行動を指摘する
- 配偶者が意図的に別居を続け、破綻を作り出した証拠を示す。
- 一方的な態度や虚偽の主張を暴き、裁判所に正当性を訴える。
- 配偶者に不貞やDVなどがあった証明を出す。
- 高等裁判所への控訴や再審請求を検討する
- 第一審で不利な判決が出た場合、弁護士と相談し控訴の可否を検討する。
- 再審請求の要件に該当する場合、異議申し立てを行う。
- 一審と違う内容の証拠をて移出する。
4-2. 交渉・和解の活用方法
- 調停の場で冷静に交渉し、合意できる妥協点を探る
- 感情的にならず、事実と法的根拠をもとに話し合う。
- 妥協点を明確にし、交渉を有利に進める。
- 共同生活の改善策を提案し、関係修復の可能性を示す
- 夫婦カウンセリングの活用を提案する。
- 新たな生活ルールや役割分担を設け、関係の再構築を図る。
- 親権や財産分与の条件を調整し、円満解決を目指す
- 財産分与や養育費について、双方が納得できる解決策を提示する。
- 弁護士を通じて、公正な合意を形成する。
4-3. 社会的支援や団体を活用する方法
- 夫婦関係修復を支援する団体に相談する
- 夫婦カウンセリングや家庭問題解決のための団体に助言を求める。
- 離婚問題によるストレスを軽減するため、カウンセラーの支援を受ける。
- 同じ境遇の人々とつながり、精神的な安定を図る。
- 離婚問題に詳しい法律相談機関を利用する
- 法テラスや弁護士会の無料相談を活用し、専門家の意見を聞く。
5. 仮に離婚となった場合に持つべき考え方
5-1. 離婚後の生活設計と精神的な立て直し
- 離婚後の住居や生活費の確保を早めに計画する。
- 精神的なサポートを得るために、カウンセリングや支援団体を活用する。
- 新たなキャリアや収入源を確保するために、資格取得や転職を視野に入れる。
5-2. 財産分与・慰謝料・養育費の適正な受け取り方
- 財産分与の対象となる資産を明確にし、公正な分配を主張する。
- 慰謝料の算定基準を理解し、適正な金額を請求する。
- 養育費の継続的な支払いを確保するため、公正証書の作成を検討する。
5-3. 未来へ向けた新たなスタートのために
- 自分の価値観を見直し、新しい人生の目標を設定する。
- 信頼できる人間関係を築き、孤立を防ぐ。
- 新たな趣味や活動に挑戦し、前向きな気持ちを持つ。
離婚は人生の大きな転機ですが、適切な準備と心構えがあれば、より良い未来
を築くことが可能です。
6. まとめ
6-1. 破綻主義に屈しないためにできること
① 婚姻関係の維持を主張する証拠を集める
破綻していないことを示すためには、以下のような証拠が有効です。
- 夫婦の関係が継続している証拠
- 一緒に過ごした写真や動画
- 夫婦間のLINEやメールのやり取り
- 家計の共同管理が続いている証拠(共同口座の使用履歴など)
- 婚姻関係を修復しようとする努力の証拠
- 夫婦カウンセリングを受けた記録
- 家族としての活動履歴(旅行、イベント、子どもの行事への参加など)
- 相手方の離婚強要の記録
- 強要や圧力があった場合、録音やメッセージのスクリーンショットを残す
こうした証拠は、裁判で「婚姻関係が破綻していない」と主張する際に有力な材料
となります。
② 精神的なサポートを受ける
離婚を強要される状況では、精神的なストレスが大きくなり、冷静な判断が難しく
なることがあります。
そのため、以下のような方法で精神的な支えを確保すべきです。
- 家族や信頼できる友人に相談する
- 孤独にならないように、身近な人に状況を話す。
- カウンセリングを受ける
- 離婚問題に詳しい夫婦カウンセラーに相談することで、精神的な安定を得る。
- 離婚問題の支援団体を活用する
- 離婚に関する無料相談窓口を利用し、同じ悩みを持つ人と情報を共有する。
③ 法律の専門家に相談する
破綻主義に基づく離婚請求に対抗するには、法律の専門家の助言を受けることが重要です。
- 弁護士の選び方
- 破綻主義に詳しく、離婚問題の実績がある弁護士を選ぶ。
- 初回の無料相談を活用し、相性を確認する。
- 相談時に準備すべきもの
- 婚姻関係が続いていることを示す証拠を出す。
- 相手方の離婚強要の記録を出す。
- 生活状況や経済状況の詳細を出す。
弁護士のアドバイスを受けることで、調停や裁判での戦略を立てることができます。
④ 相手方との交渉を有利に進める
離婚を回避するためには、調停や裁判に進む前に、話し合いの場を持つことが大切です。
- 話し合いのポイント
- 感情的にならず、冷静に婚姻継続の意思を伝える。
- 相手の主張を整理し、妥協点を探る。
- 夫婦カウンセラーの同席を検討する。
- 調停・裁判に進む場合
- できるだけ弁護士を通じて交渉を進める。
- 事前に証拠を整理し、有利な状況を作る。
6-2. 現在の状況を整理する
① 破綻を主張される理由や自身の立場を明確にする
相手が離婚を求める理由を正確に把握し、自分の立場を明確にすることが重要です。
- 相手が主張する破綻の理由を整理する
- 性格の不一致。
- 別居の有無。
- 夫婦関係の冷え込み。
- 相手の新しい交際関係の有無。
- 自身の立場を整理する
- 婚姻継続の意思があるかどうか。
- 破綻の主張に対抗できる証拠があるか。
- 経済的・生活面での影響を考慮する。
② 経済状況や生活環境を把握し、必要な支援を検討する
離婚が認められた場合の生活を見据え、経済的な準備をしておくことも重要です。
- 現在の収入と支出を確認する
- 夫婦の収入・貯金・借金の状況を整理。
- 生活費や子どもの養育費の試算を行う。
- 離婚後の生活設計を考える
- 仕事や住居の確保。
- 子どもがいる場合の親権問題の検討。
③ 証拠を確保する
夫婦関係が破綻していないことを証明するため、具体的な証拠を集めましょう。
- 夫婦関係の継続を示すもの
- 旅行の写真、家族のイベントの記録。
- 日常のLINEやメールのやり取り。
- 相手方の不当な言動の記録
- 離婚強要のメッセージや録音。
- DVやモラハラの証拠があれば記録。
④ 夫婦カウンセラーに相談する
専門家に相談することで、夫婦関係の修復や交渉の選択肢を増やすことができます。
- 夫婦カウンセリングの活用
- 婚姻関係の改善が可能か判断する。
- 相手の本音を聞き出す。
- 交渉の選択肢を考える
- できるだけ有利な条件を引き出せるよう準備。
⑤ 弁護士に相談する
法的な対応を進める場合、弁護士に相談することが不可欠です。
- 無料相談を活用する
- 複数の弁護士に相談し、最適な人を見つける。
- 弁護士の選定ポイント
- 破綻主義に詳しいか。
- 実績や口コミを確認する。
- 依頼費用や方針を事前に確認する。
- 調停や裁判に向けた準備
- 証拠を整理し、弁護士と戦略を立てる。
- 可能ならば交渉で解決する方法を探る。
破綻主義に屈しないためには、まず冷静に現状を整理し、証拠を確保することが
重要です。
カウンセリングでは精神的なサポートをしながら、どのように対抗していくかを
一緒に考えています。
その一つに、裁判所に破綻主義に苦しむ方からの、見直しを検討してもらうための
嘆願書を集めて送っています。
実際に苦しむ方の声というのは本当に重要ですから、そういう意思を司法に届ける
活動も行っています。

また、破綻主義に理解のある法律家を紹介して、苦しむ方の取るべき法的手段を
一緒に作っています。
交渉の余地があれば話し合いを重ね、調停や裁判に進む場合は、十分な準備をして
臨むことが大切です。
いずれにしても、破綻主義に諦める事なく、いろいろな手段を考えて自分の納得する
行動を取る事が重要です。
相談実例
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